エホバという言葉について

2012年 10月 31日

Q エホバという言葉の由来について教えてください。

 

A 旧約聖書では、契約を結ぶ神の御名として、ヤハウェという名が啓示されました。これは、ヘブル語で、「יהוה (YHWH)」と書きます。ヘブル語は、子音だけで表記する言語です。後に、発音を指示するための「振り仮名」のような記号が考案され、使用されるようになりました。これをニクダーと言います(母音記号です)。

ところで、ユダヤ人たちは、神の御名を発音することを恐れ、「יהוה (YHWH)」という御名が出て来ると、それを「アドナイ」と読み替えました。アドナイとは、「我が主」という意味です。つまり、「יהוה (YHWH)」という言葉に、「アドナイ」と読ませるための振り仮名(ニクダー)を付けたのです。

このことを理解しない後代の学者が、本来は「アドナイ」と発音すべき言葉を、「Jehovah(エホバ)」と読むようになりました。その結果、この読みが一般に広がるようになりました。

蛇足ですが、今でもユダヤ人たちは、「יהוה (YHWH)」を「アドナイ」と発音しています。さらに、神の御名を畏怖するということから、ヘブル語で神のことを「ハ・シェム」(The Nameの意味)と呼んだり、英文の場合は「God」ではなく「G-d」と書いたりしています。

 

最後に、日本語訳にも触れておきます。ヘブル語の「יהוה (YHWH)」の日本語表記として、次の3つがあります。①新改訳聖書は、太字の「」を採用しています。新改訳で太字でない「主」が出て来た場合は、「יהוה (YHWH)」ではなく、普通名詞の「主」です。②口語訳と新共同訳は、太字でない「主」を採用しています。そのため、固有名詞の「יהוה (YHWH)」と普通名詞の「主」の区別がつかなくなっています。③文語訳は、「エホバ」を採用しています。

「יהוה (YHWH)」は、契約の神の御名を示す固有名詞ですから、日本語訳でも、それが固有名詞であることが分かる言葉がいいと思います。

Posted by 中川健一 | 0 コメント

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