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ラビたちの教えに対する反論

#10 イエスが本当にメシアなら、なぜ世界平和が実現していないのか

 イエスが本当にメシアなら、なぜ 未だに戦争があるのか。預言者イザヤは、こう語ったではないか。「狼は子羊とともに宿り、豹は子山羊とともに伏し、・・・」(イザ116

 ラビ・トビア・シンガー(現代のラビ)は、こう語る。

「イエスがメシアなら、新聞を読めば、その事が分かるはずだ。ヘッドラインが、戦争ではなく、平和に関するものになるからだ。ところがイエスの時代から現在までの間に、戦死者は1億2千万人以上もいる」

 

先ず理解しておくべき事は、聖書の中には「メシアが来られる時、平和が訪れる」という聖句は無いということだ。ただし、メシアと平和の間になんらかの関係があるというのは、正しい理解である。ある特定の状況下で、ある特定の時に、メシアは平和をもたらす。しかし、メシアが果たす役割は 時代に応じて異なる。預言者マラキは、メシアは精錬し、きよめると語った。言い換えれば、平和を確立する前に、メシアは裁き、戦われるということだ。

 

 ラビ達のメシア理解が混乱している理由は、主に2つある。先ず、聖書よりもタルムード等のラビ文書に信頼を置いていることだ。それゆえ、メシア論に関する混乱が起こっている。以下は、その実例である。

・ラビ・ヨハナン(エルサレム・タルムードの編纂に貢献した3世紀のラビ)は、

ユダヤ人が民族として安息日を2回守ることができたら、メシアが来られる

と主張した。

 

・ラビ・ウジエル・エリヤフ(現代のラビ)は、

「王なるメシアが来られた時、何が起こるのかは、それが起こるまで分からない」

と言う。

 

・ラビ・ヤーコフ・ハレヴィ・フィルバー(現代のユダヤ教神学者)は、

メシアの来臨は、自分たちユダヤ人の善行次第で決まる

と述べた。

 

・ラビ・イツァク・カドゥリ(2006年没)は、

メシアは既に9年前に来られた

と述べた。

 

・ラビ・オバデヤ・ヨセフ(2013年没、超正統派)は、

メシアが来られたら、全てのアラブ人を消し去るだろう

と述べた。

 

・ラビ・ハイム・レヴィ・イツァク・ギンズバーグ(ハバッド派の指導者の一人、現代のラビ)は、

20年以上前に亡くなったルバビッチ師がメシアだ

と主張した。

 

・ラビ・オバデヤ・バルテヌラ(15世紀のラビ)は、

あらゆる世代毎にメシアの型が生まれている

と記した。

 

・ラビ・アキバ(1世紀末から2世紀にかけて活躍した律法学者の最高峰の一人)は、

バル・コクバがメシアだった

と言った。

 

・ユダヤ教改革派は、

メシアとは一人の人ではなく、一つの時代のことである

と主張する。

 

混乱の第2の理由は、メシアの役割は複数有り、聖書箇所によって異なる役割が啓示されていることだ。ある箇所には、メシアは苦しみを受け、死ぬと書かれており、別の箇所には、メシアは戦い、世界平和を確立する、と書かれている。

ユダヤ教の賢人達の間には、メシア理解に関する大混乱が見られる。

「メシアは謙遜な姿でロバに乗って来られるのか、雲に乗って勇士である王として来られるのか」。

メシアは、雲に包まれて、空飛ぶロバに乗って来られると考えるラビ達もいる。

 

時代が下ると、聖書の語るメシアは1人ではなく、2人いるという教えが広まった。最初のメシアは拒否され死ぬので、「ヨセフの子であるメシア」と呼ばれる。次のメシアは世界平和を確立するので、「ダビデの子であるメシア」と呼ばれる。しかし、聖書は2人のメシアが来ることを教えているわけではない。メシアは1人であり、初臨の時と再臨の時と、異なる役割を果たすというのが聖書の教えである。

 

イエス時代以前のユダヤ教は、現代のラビ達の見解とは反対に、メシアは1人であるとの立場を取っていた。クムラン写本の研究者ワイズ(訳注:アラム語の大学教授)とテイボー(訳注:宗教学の大学教授)の論文によれば、B.C.3世紀のクムラン共同体は、

「最初にメシアは苦しみを受け敗北するが、終わりの日に最終的に勝利し、統治する」

と信じていた。つまり、世界平和の確立は、再臨のメシアが行う最後の御業だと考えていたのである。

 

初臨のメシアの御業は、2千年前の神殿破壊の前に成就した。メシアは、神の小羊として、私達の罪のために死なれた。犠牲の子羊が完璧でなければならなかったように、メシアも完璧でなければならなかった。完璧な人間はいない。神のみが完璧である。だからメシアは、神ご自身でなければならない。この方だけが私達の罪を贖うことができる。これは、異邦人クリスチャンの考え方ではなく、ユダヤ的考え方そのものである!

 

・ラビ・メナヘム・ブロート(現代のラビ)は、イザヤ53章を根拠に、このように記している。

「メシアの受難を通して、彼の世代の贖いが成され、全てのユダヤ人が救いを受け取ることができるようになる。『まことに、彼は私達の病を負い、私達の痛みを担った。・・・彼は私達の背きのために刺され、私達の咎のために砕かれたのだ』。と預言されている通りである」

 

・ラビ的ユダヤ教の本ゾハルに、

メシアの受難によってイスラエルは裁きを免れる

と書かれているが、これもイザヤ53章を根拠にしている。

 

・ラムバン(マイモニデス、13世紀の高名なラビ)も、イザヤ53章をメシア預言として解釈した。

・ラビ・モシェ・アルシーフ(16世紀の高名なラビ)は、メシアは自発的に苦しみを受け入れると考えた。

・預言者ゼカリヤも(12章)、メシアは身体を突き刺されて死に、その死によって私達の咎を負って下さると預言している。さらに私達ユダヤ人が自分達のメシアを突き刺してしまった事を理解して、長子の死を嘆くように その死を嘆く日が来ると預言した。

・ラビ的文書ミドラッシュ「ユルクト・シモニ」によれば、

「ヨセフの子であるメシアは、『彼らは自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見て・・・』と書かれてある通りに殺されることは明らかである」

 

・ラビ・モシェ・アルシーフも、こう述べている。

「『彼らはわたしを仰ぎ見る』。彼らは完璧に悔い改めた状態で目を上げてメシアを見る。『自分たちが突き刺した者』、ヨセフの子であるメシアを彼らが仰ぎ見る時、メシアはイスラエルの全ての罪をその身に引き受けて下さる」

 

・ラシ(11世紀の高名なラビ)は、トラクテイト・スカー52で、ゼカリヤ1210を解釈し、こう述べている。

「ゼカリヤの預言にあるように、この土地は嘆く。これは将来の預言であり、彼らは殺されたヨセフの子であるメシアの死を嘆くことになる」

 

私達は メシアは神に造られたのではなく、神ご自身であると信じているが、ヨセフの子であるメシアが私達の罪のため、身代わりとなって苦しむという考え方がとてもユダヤ的なものである事に気づく。

イエスは、人類史上最も有名なユダヤ人だが、拒否され、辱められ、打たれ、十字架に付けられた。私達ユダヤ人も拒否され、辱められ、打たれ、滅ぼされる寸前の状態になった。だから、イエスを自分達の境遇と重ね合わせ、この方がメシアだと分かるのだ。

良い知らせがある。このストーリーはメシアであるイエスの受難と死で終わるのではない。イエスは死者の中から復活し、私達に罪の赦しと新しいいのちを与えて下さった。

原文リンク

松村慶子訳 中川健一監訳

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